vs.井上尚弥 怪物に出会った日

さとゆみさんのnoteで読んだ森合正範さんのインタビュー記事で『怪物に出会った日』(講談社)を知りました。
「大谷翔平は知っている?」と兄に聞かれるくらいわたしは世間知らず。もといスポーツに疎い。そんなわたしでも楽しめるかもと思えた理由は、スポーツ記者である著書の森合さんが「井上尚弥の強さを伝えられる自信がなかった」と言ってたから。ボクシングに詳しくないけど楽しめたと、ゆみさんもインタビューでおっしゃっていました。

そういえば、ロシア人家族の話をうまく書けなくて泣いた、とさとゆみさんも言っていたことを思い出す。「自分の文章で伝えられない」ことが、書く仕事をする人にとってこんなに苦しいものなんだとリアルに実感。

井上と戦った選手にインタビューするために、森合さんは国内外へ取材の旅をします。佐野友樹をはじめとする10人の選手中心に、彼らの生い立ちからボクシングとの出会い、井上戦についての詳細がインタビューを通して書かれています。

細かな試合のハイライトが各章ごとに書かれているのに、イメージができるほど正直理解ができませんでした。それでも、ボクシングへの向き合い方、応援する家族、金銭的不安など選手一人ひとりのバックグラウンドを読んでいるだけで涙が出てきます。こんなに一生懸命向き合ってきたものが、自分にはないなぁと。

ボクシングの話なので、選手はもちろん尊敬するのだけど、著書の森合さんの「書くこと」への向き合い方にも誠実さがにじみ出ていました。海外選手へ取材の旅費を自費にした経緯。奥様のサポート。各選手の話を世に出す使命感。話をしてくれないかもしれないと思いながら挑む取材時の自身の気持ちも書かれていました。とても謙虚で穏やかな方なのだなと感じました。

森合さんが文章にしてくれたことで、ボクシングへの気持ちが消化されたのだろうなと思えるシーンがいくつもあり、ライターって、めっちゃ素敵な仕事なんだと思える本でした。

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この記事を書いた人

趣味は手紙。自営業しながら副業ライターをしています。2026年の抱負は「友達にもっと会う」。旦那ちゃんのお世話をしながら生きています。

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